鼻涙管閉塞
二番目の娘は赤ちゃんの頃、鼻涙管閉塞でした。
症状に気がついたのは三ヶ月頃だったでしょうか。
左目の目やにがとても多いことと、左目から涙がよく出ているので、その涙が耳のところまで流れて、皮膚が荒れて、耳たぶの付け根がじくじくとなり切れていました。
これはおかしいと思い、ネットで調べはじめ、症状からして鼻涙管閉塞に違いないと思いました。
近所の眼科に行き、診察してもらった結果、やはり鼻涙管閉塞とのこと。
ここでは検査はせず、先生が症状を聞いての判断でした。
目薬を処方してもらい、マッサージで治ることがあるとのことで、目頭の少し下の鼻の部分のマッサージの仕方を教えてもらいました。
二本指で上から下に摩るというものでした。
毎日、数回マッサージをしました。なにせ三ヶ月の小さな赤ちゃんなので、力加減もマッサージの仕方もこれで合っているのか分かりません。
一ヶ月立っても良くならず、目頭を押すと左目に膿がたくさん出て溜まるようになりました。病院に行きましたが、マッサージを続けて様子を見るとのこと。
心配になって、私は鼻涙管閉塞を得意としている病院をネットで探しました。
個人病院でしたが、HPで鼻涙管閉塞について丁寧に説明してあり、治療に力を入れていそうな病院を見つけました。
運良く車で1時間程で行けるところだったので、主人が休みの日に診察を受けに行きました。娘はこの時、五ヶ月になっていました。
これまでの経緯を話し、マッサージを続けているが良くならないことを伝えました。
先生は、鼻涙管が本当に貫通していないのかを調べる検査をしてくれました。
娘を検査台の上に寝かせて、娘が動かないように、看護婦さんが頭を、私が体をしっかり持ちました。
主人と上の娘は横でその様子を見守っていました。
検査は、目頭から鼻涙管に液を入れて、貫通していれば液は鼻に流れ、閉塞していれば 目に液が戻って来るというようなもので、左目だけ色の付いた液が戻って来ました。
確かに鼻涙管閉塞とのこと。
続けて、針がねを鼻涙管に通して貫通させる手術に入りました。細長い針がねを、先生は娘の小さな目頭に刺していきます。
検査の時もすごかったけれど、手術の時の娘の抵抗はすごかった。先生の手元が狂ってはいけないと思い、私は必死で泣き動こうとする娘の体を押さえました。
手術は先生の神業のような作業であっという間に終わり、あれ程長い間苦しんでいた鼻涙管閉塞は一瞬にして治りました。
後で鼻涙管閉塞について詳しい説明がありましたが、先生の考えとしては、マッサージで治ることはあるが、菌に感染して悪化させる場合もあり、手術するのが良いとのことでした。
ただ、手術できる眼科医が少なく(当時の話かもしれませんが)、患者に触らない医師もいるとのことで、病院選びも重要な感じがしました。
娘は当時五ヶ月で、手術の時にはかなり暴れたので、麻酔をせずに手術出来るぎりぎりの年齢だったと言われました。
悪化した人の事例や麻酔をすると大きな手術になることなど、丁寧に教えて頂いて、五ヶ月の時期に先生に診てもらえて本当に幸運だったと思いました。
先生には本当に感謝しています。
先生のところには県外からも多くの患者さんが来ていたようでした。
手術した直後から、娘の目からは鼻涙管閉塞で溜まっていた涙が消え、
涙が頬を伝って流れて切れていた耳の付け根も徐々に治っていきました。
娘が七歳になった現在、ネットで先生の病院を探しましたが、HPには鼻涙管閉塞のことは何も書かれていませんでした。
娘が診て頂いた時は、おじいちゃん先生でしたのでおそらく引退されたのでしょう。
先生の技術を学ばれた先生がどこかでご活躍されていることを願います。